握力に応じてブレーキ力を自動調整する自転車アシスト技術について、ICCE2025にて発表しました

2025年1月にアメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスにて開催された国際会議「IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE2025)」にて、特に高齢者や握力の弱い方々の自転車利用における安全性向上を目的とした、新しい自律型ブレーキアシストシステムに関する研究成果を発表しました。

本研究提案は、我々が以前開発を進めていたANSHiNブレーキシステムから拡張した研究です。

自転車乗車中のブレーキ操作において、利用者の握力をリアルタイムで測定し、その状態に応じて最適なブレーキ補助を自動で行うシステムに関するものです。自転車事故、特に高齢者が関わる事故において、ブレーキ操作の遅れや不十分さが重大な要因の一つとされています。この課題に対し、私たちのシステムは以下の3つの主要な機能から構成されています。

  1. アシスト力計算メカニズム: 利用者のグリップ(握る力)を動的に測定し、必要なブレーキアシスト力を算出します。
  2. ブレーキ力アシストシステム: 算出されたアシスト力に基づき、物理的にブレーキ操作を補助します。
  3. 動的アシスト調整メカニズム: 疲労などによる利用者のブレーキ操作能力の変化を検知し、アシストの度合いを動的に調整します。これにはLocal Outlier Factor (LOF) アルゴリズムを活用しています。

これらの研究成果は、個々の利用者に合わせたブレーキ支援を提供することで、特に支援が必要とされる方々の自転車利用時の安全性を高めることに貢献できると考えています。ICCE2025での発表では、システムの詳細な設計、実験結果、および今後の展望について報告いたしました。

発表内容の詳細は、以下の論文を参照ください。

論文情報 H. Tomisu, N. Kai and T. Yoshihisa, “Autonomous Bicycle Brake Assistance Using Dynamic Grip Force Measurement,” 2025 IEEE International Conference on Consumer Electronics (ICCE), Las Vegas, NV, USA, 2025, pp. 1-6, doi: 10.1109/ICCE63647.2025.10930220.

[論文へのリンク (DOI)] https://doi.org/10.1109/ICCE63647.2025.10930220

[ICCE公式ウェブサイト (参考)] https://icce.org/

余談

トランジットで初めてhawaiiに降り立ちました。

予約したけど一向に届かないサイバートラック

Las Vegasに到着。実は出国の際に、色々とトラブル続きで…

Sphereにも訪れました。中には入る時間はちょっと無く…

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