Safe Cycling with Datascience and IoT

昨今、日本各地において様々な観光振興策が創出される中、健康を意識したウェルビーイングな観光を行う方法として、サイクルツーリズムの需要が高まっている。例えば、滋賀県では琵琶湖をスポーツバイクで一周するビワイチと呼ぶ観光施策が実施されている。

一方、笹川スポーツ財団が公表する「スポーツツーリズム・ムーブメントは既に創出されている 〜2023年度公開プロセスに見る、スポーツによる地域活性化の誤謬〜」によると「このようなサイクルツーリズムは既に確立しており、スポーツツーリズムの未来像はどのようなものなのか、そこに至る中核的かつ解決必須の課題を明確にする」ことが、これからのスポーツを軸とした重要であると示している。さらに「スポーツツーリズムに特徴的な、あるいは成功の鍵となる課題を特定しチャレンジすることにこそ、本事業の本来の意義がある」ことも明確に示している。

政策面での評価としては、ロジックモデル上の問題として「スポーツによる地方創生、まちづくりに取り組み、それらを将来にわたって継続させ、各地に定着させるよう、促進する。」ことに対する数値目標が設定されておらず、初期から中期、中期から長期のアウトカム間のロジック、すなわち指標及び目標値として示しているKPI間のロジックが破綻している点に、根本的な問題があるとしている。

そのような状況下、令和3年度に滋賀県にて実施された「ビワイチ(県内サイクリング)」についてのアンケート結果によると、回答した県民の約9割が実施に至らないものの、やってみたいと答える層は全体の約4割にのぼる。その一方で、実施を見送る理由として「車道の左側を走るのが怖い」「交通事故が心配」の項目がアンケート回答者の上位に位置しており、環境の整備によっては、地域へのサイクルツーリズムの定着がより見込める。

このような考え方は、ベテランのサイクリストからは「トレーニングが足りないだけ」「意識が低い」と一蹴されてしまう場合が多い。しかし、自転車利用初心者の私だからこそ、本問題の重要性を理解し、潜在的な危険性を理解できないことこそが、初心者にとってサイクルツーリズムに挑むための本質的な大きなハードルであると認識している。

よって、自転車利用における事前調査、及びリアルタイムでの安全性の確保を初心者でも行える環境作りこそが、自転車のスポーツ利用をより初心者に定着させる鍵になると考え、IoT、機械学習、データサイエンスの観点から当該技術の開発、および社会実装に着手している。

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